【初心者向け】ROICと併せてチェック!ROA・ROEやWACCとの関係性

「ROICって聞いたことあるけどROAやROEとは何が違うのかな?
こんな悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか。

こういった疑問にお答えします。

✅本記事の内容

  • ROIC(投下資本利益率)とは
  • ROA・ROEとの違い
  • ROICとWACCを比較
  • 指標を使い分けよう

この記事を書いている僕(@craftprogramer)は都内のベンチャー企業でWebマーケターとして働いています。
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ROIC(投下資本利益率)は、事業活動に投じた資金で企業がどれだけ利益を出しているか、という「稼ぐ力」を表す指標です。

株を購入するなら、その企業を経営状態を分析する必要があります。運営効率を知ることができるROICも、分析材料のひとつです。

ROIC以外に、ROAやROEでも企業の運営効率を調べることができます。これらの指標やWACCなどは、ROICと併せて利用することができます。

ここではROICの意味、ROA・ROEやWACCとの関係性や計算方法を紹介していきますね。

ROIC(投下資本利益率)の意味と計算方法

ROICとは、「Return on Invested Capital」の頭文字。日本語では投下資本利益率といい、事業活動のために投じた資金(投下資本)を使って、企業がどれだけ効率的に利益を出しているかを知るための指標です。

ROIC=税引後営業利益(NOPAT※)÷投下資本

※税引後営業利益(NOPAT)は「営業利益×(1-実効税率)」で算出できます
投下資本の算出方法は大まかにわけると「資産ベース」と「負債ベース」の2種類です。それぞれの算出方法は次のとおり。

ROICは3年~5年の平均値や推移によって、その企業の運用効率を見ることができます。

ROICとROA・ROEの違いを知って使い分けよう

収益性を測る指標にはROICのほかに、ROA・ROEという指標があります。ROIC同様、資本の運用効率を調べることが可能です。

どんな指標なのか、次の項目からひとつずつ紹介します。

ROA(総資産利益率)

ROAは総資産利益率といい、「資産に対してどれだけの純利益が出たか」を調べることができる指標です。

ROAの算出方法から見てみましょう。

ROA=当期純利益÷資産×100

お金をどう集めているかは関係なく、「企業全体での資産でどれだけ利益を出せているか」という効率性を見ることができます。

ROICやROEに比べ、より大きな括りで算出するのがROAです。

ROE(自己資本利益率)

ROEは自己資本利益率といい、「資本に対してどれだけの純利益が出たか」を調べることができる指標。

ROEの算出方法は次のとおりです。

ROE=当期純利益÷資本×100

ROICとROEの違いは「負債を含むかどうか」。

ROICでは「負債と株主が投資したお金を何倍にしたか」を見ますが、ROEは「株主が投資したお金を何倍にしたか」を見ます。

ROEについては「ROE(自己資本利益率)で企業の収益性と経営の効率性を調べよう!」で詳しく解説しています。

ROICとWACCを比較しよう!

ROICは単体で使う方法のほかに、WACCと比較して分析する方法があります。

WACCとは、Weighted Average Cost of Capitalの略です。加重平均資本コストともいい、計算には借り入れにかかるコスト(負債コスト)と株式調達にかかるコスト(株主資本コスト)を利用します。

負債とは、返済義務のある資金のこと。負債には利息がつき、これが負債コストとなります。負債コストの算出方法は「支払利息÷負債額×100」です。

株式資本とは、返済義務のない資金のこと。株主資本には株主に還元するためのコストがかかります。一般的にCAPMという算出方法を利用しますが、こちらについては後ほど説明しますね。

WACCの計算式を見てみましょう。記号D・E・RD・RE・tはそれぞれ次の内容を表しています。

D:有利子負債の合計金額
E:株主資本の合計金額
RD:負債コスト
RE:株主資本コスト
t:法人税率

WACCの計算式は、法人税を考慮しない場合と考慮する場合の2通りに分かれます。まず法人税を考慮しない場合は次のとおりです。

負債には、法人税の節税効果があります。そのため法人税を考慮した場合の計算式は、次のとおりです。


ROICと比較する場合は、法人税を考慮したWACCを利用しましょう。

ROICがWACCより高いと、税引後営業利益を資本コスト以上に生み出していることになるので、その企業には「経済的な付加価値がある」ということになります。

CAPM(資本資産価格モデル)で株主資本コストを算出する

CAPMはCapital Asset Pricing Modelの頭文字で、株主資本コストの算出するための考え方のひとつです。

CAPMを利用する場合、株主資本コストは次のように求めます。

株主資本コスト=リスクフリーレート+β(ベータ)×マーケット・リスクプレミアム

リスクフリーレートとは、無リスクで運用可能な金融商品の利回りのことで、ここでは「10年国債の利回り」を利用します。

10年国債の利回りは各証券会社の公式サイトでチェックしましょう。

ベータとは、個別銘柄がマーケットのリスクにどのくらい影響されているのかを表す指標のことです。

ベータ値は自分で計算する方法もありますが、MSNマネーやロイターの銘柄個別ページで簡単に調べることができます。

マーケット・リスクプレミアムは「マーケット・ポートフォリオの期待収益率」から「リスクフリーレート」を差し引いたものです。日本の株式市場では4%~6%程度だといわれています。

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